自主ようちえんひろば

羽根木プレーパークを拠点としている自主保育です。

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預け合いについて

1.子どもの1日のスケジュール例


【9時半に羽根木プレーパーク集合】

朝のチャンカ(挨拶の歌)は「やろうよー。」と大人から声を掛けますが、既に遊んでいて中々始まらないことが多いです。チャンカの後は子ども同士でジャンケンをして、その日の子ども当番を決めます。

【自由遊び】

【12〜13時頃よりお弁当】

子ども当番がお弁当の時間と場所を決めます。

【自由遊び】

【14時頃終わりのチャンカ】

お迎えに来た非番の母も一緒に、みんなで挨拶の歌を歌います。朝と同様、遊びに夢中で中々集まりません。チャンカの後は各自で用意したおやつを食べ、大人は当番から非番へ1日の報告をします。その後は自由解散ですが、18時頃まで遊ぶこともあります。


2.預け合い中の子どもとの関わり方


預け合い中は子ども同士の世界を大切にしていて、大人は離れて見守ります。当番をしていて子どもから遊びに誘われることもありますが、頃合いを見て距離を置くようにしています。ケンカは力の差がありすぎて危ない時や、頭や顔への危険な攻撃など状況によって止めることもありますが、そうでなければ危なくないギリギリまで見守ります。段差から落ちそうな場所でケンカが始まったら、安全な場所に誘導してケンカしてもらう時もあります。「ごめんなさい。」の強要もしません。一人っ子で兄弟がいないと思いっきりケンカできる相手が少なく、親同士の共通理解がないとケンカを止めないことも難しかったりするので、貴重な場面だと感じています。子ども同士という、うまくいかない相手とどうやったら遊べるのか、自分で感じながら日々を過ごし、コミュニケーションが少しずつ取れるようになっていきます。

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現在4組の親子で預け合いをしていて、4人の子どもを当番2人で見ています。基本的には大人当番1人に対して子ども3人までの配分としています。ただし、子どもが3人以下の場合でも大人は常に2人は配置して、事故のないよう見守り、何かあれば2人で対応します。

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子どもは二手以上に分かれて遊ぶこともありますが、安全に見守れる状況なら見守ります。そうでない時は子どもへ声をかけ、当番の目が足りないことを伝え、行きたい場所へもう1人誘うなど考えてもらいます。


マスクは大人は屋外でもしていますが、子どもは自由です。電車やバスに乗る時、図書館に入る時などは声掛けして、できる子はマスクを着けます。


3.雨の日の過ごし方


園舎がないので、雨でも屋外で遊んでいます。以前は雨の日に屋内の施設に出かけたり、児童館や図書館で過ごすこともありましたが、コロナにより屋外で過ごすことが増えました。雨の日のプレーパークでは、プレーワーカーが大きなブルーシートのタープを張ってくれるので、その屋根の下でお絵かきや色水ジュースのお店屋さんごっこが始まる日もあります。大雨や強風で自転車移動が危険な日はお休みとすることもありますが、安全に遊べそうであれば特別に楽しい日になる場合もあります。

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4.預け合いの開始時期


預け合いが始まる時期は入会の時期にもより、年少さん(3〜4歳)の4月より前のこともあるし、年少の秋頃のこともあります。預け合いを始めることを意識し始めたら、まずは、親子ともにひろばの預け合いの環境(メンバー、屋外で長時間、週5日過ごすこと)に慣れることが大切と考えています。帰りが遅くなることもあるので、家事の手を抜いたり、家族の理解や協力が得られると活動しやすくなります。

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5.年間スケジュール


4月 進級式(入会は随時なので、入会式は行っていません。)

5月 田植え(次大夫堀公園)

6月 運動会

7月 スイカ割り

8月 夏合宿

9月 高尾山登山

10月 雑居まつり、稲刈り、ハロウィン

11月 みかん狩り

12月 クリスマス会

1月 餅つき、小松菜とり

2月 節分

3月 卒会式

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卒会した小学生たちも参加する運動会

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小さな子も一緒に高尾山

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卒会式での劇

夏休み、冬休み、春休みがあり、コロナではない頃は秋川渓谷などへ夏合宿に行っていました。夏休みなどにひろばの子と遊ぶことはありますが、週に5日会っている時は土日に会うことは少ないです。けれど、親の体調不良など何かあれば子どもを日中預かる、泊まりで預け合うこともできる、親戚のような関係です。


参加している子どもの個性や保護者の状況、今なら新型コロナなど世の中の状況にも応じて、どう活動するか自分達で話し合って決めていきます。なので、活動内容がその時々で変わります。物事の考え方は人それぞれですが、みんなの意見を出し合い、子どもを真ん中に考え、方向性を決めていきます。


6.大人の一週間のスケジュール


月曜日から金曜日の5日間のうち、自分が当番の日が2回、非番の日が2回、母子参加の日が1回程度のペースが基本です。保育当番には現役のひろば母があたることが基本ですが、卒会した先輩母やプレーパークの元プレーワーカーなどにお願いすることもあります。


母子参加の日は、お誕生日会やかまどご飯の日、芋掘りや山登り、ミーティングなどを行っています。代々木公園や烏山プレーパーク、多摩川の河川敷など他のプレーパークや他の自主保育団体の拠点に行って交流することもあります。

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歩いていつもと違う公園へ

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お誕生日会は母の手作りケーキ f:id:Hiroba-Hanegi:20210913142716j:plain

電車で調布へ

プレーパークが閉園の火曜日は、大きな木保育園が初台の体育館を借りて行っているリズム体操に一緒に参加させてもらっています。大所帯や決められたことをするのが苦手な子もいて、体操することの強制はしていません。体育館の外の廊下で遊んだり、近くの公園で過ごすこともあります。初台への移動は以前は電車を使っていましたが、コロナ以降は自転車で現地に集合しています。遠出は片道5〜7km程度なら自転車を使うことが多く、場合によって電車やバスを使います。


預け合いの後の1日の報告では、他の人からの見え方や考え方を知ることができます。保育園や幼稚園より詳しく細かく報告があり、子どもの気持ちの動きや成長が見えます。自分を振り返る時間にもなり、視野が広がります。毎日の報告の他に、月に1回のミーティングもあります。子どもを母以外の保育者に預けて、大人だけでじっくり話し合います。


7.体験談『ピッピの会』卒会後に『自主ようちえんひろば』へ入会


羽根木プレーパークでは『自主ようちえんひろば』の他に『ピッピの会』という未就園児向け(0〜4歳)の自主保育サークルも週に2日活動しています。私は娘が1〜2歳の時はピッピの会に参加し、3歳になり年少の年からひろばに入会しました。ピッピの会は、40組前後と多くの親子が参加しています。子どもが小さいこともあり、全員での話し合いは難しく、子育てにおける共通認識までは作れません。けれど、友達を作りたい、子どもを遊ばせながら大人同士でお喋りして息抜きしたい、という方に向いていると思います。


ピッピの会は保育園や私立幼稚園に進む方が殆どで、4歳児の在籍は珍しいです。私もはじめは私立幼稚園を考えていましたが、羽根木プレーパークの環境を私が気に入っていたので、2歳半頃ひろばに体験で通いました。私はそれまで「見守る保育」というものを知らず、ピッピで娘がケンカすると割って入っていたので、ひろばでの派手なケンカと、それを見守る大人を目の当たりにしてはじめは驚きました。ひろばの子育ては、子どもを一人の人間として尊重して接しています。子育ては大変なものですが、喜びや楽しみもたくさんあります。悩みを共有し、みんなで子どもを育て、親も育つ場になっていると感じています。